建設現場の現場代理人とは?┃今さら聞けない現場代理人を詳しく解説します
建設業に携わる方でしたら必ず耳にしたことがある「現場代理人」。
建設現場には、主任技術者や監理技術者といった方々もいますが、現場代理人もいますね。
主任技術者が現場代理人を兼任することも多いでしょうが、この「現場代理人」とはいったいどういう方なのでしょうか?
当たり前すぎていまさら聞けない「現場代理人」について、建設業許可を専門とする行政書士が詳しく解説致します。
現場代理人とは?
わかりやすく言えば、現場監督です。
受注者である請負人の代理人として、作業工程を管理し、現場の安全を確保、その他発注者との交渉に当たることになります。
正確には…
注文者との建設工事の請負契約において、受注者としての立場の請負人(法人の場合は、代表権を有する取締役。個人の場合は事業主。)の契約の定めに基づく法律行為を、請負人に代わって行使する権限を授与された者をいいます。
現場で何をする人なのですか?
建設業法上の義務 | 建設業法第19条の2第1項 請負人は、現場代理人を選任する場合は、必ず現場代理人の権限と請負人への意見申出方法を、注文者に書面で通知しなければいけません |
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現場での職務内容 | わかりやすく言えば、施工完了までに行うべき一切の指示を行います。 「現場代理人」は、注文者から注文を受けた請負人の代理人です。 ですので、請負人としてなすべき一切の指示を出し、安全に施工を完了しなければいけません。 具体的な権限は以下のとおりです・注文者との打ち合わせ |
現場代理人は誰でもなれるのですか?
誰でもなれます
なぜかといえば、法律上現場代理人の資格制限がないからです。
しかし建設現場では、現場代理人は誰でもなれるわけではありません。
それはなぜでしょうか?
- 請負契約約款で現場代理人の資格を制限しているからです。
- 公共工事では、現場代理人を請負人と雇用関係にある者に限定することが多いですね。
- 現場代理人の責任の大きさに見合う人選をする必要があるからです。
- 請負人の代理人として施工を完了しなければならない人材は、誰でも良いわけではないでしょう。
つまり、法律上「現場代理人」の資格は制限されていませんが、契約や社内規程により制限されているのです。
現場代理人は建設現場に必ず配置して、常駐しないといけないのでしょうか?
法律上は、設置義務及び常駐義務はありません。
しかし、経験がある方はご存知のはずです。
現場代理人を配置しなければならない現場が多く、また現場代理人は現場に常駐させられますよね。
その理由も上記と同じ契約内容又は社内規程があるからです。
特に公共工事は、現場代理人を必ず設置し、現場に常駐することを求めてきます。
現場代理人と他の責任者は兼務できるのでしょうか?
法律上、現場代理人の兼務について規定が無いため、兼務することは法律違反になりません。
しかし、契約約款で兼務について制限を設けている場合が多いことが現実です。
経営管理責任者や専任技術者、又は主任技術者や監理技術者の方は、現場代理人と兼務できるのか、必ず契約内容を確認をして下さい。
契約約款の違反は法律違反ではありませんが、注文者の信頼を損なう重大な背信行為です。
取り決めに従い、安全確実な施工を心がけて下さい。
まとめ
現場代理人は、法律上明確な規定が無いため、現場によって権限や職務内容が異なることがあるはずです。
現場代理人を設置する事業者や、現場代理人になられる方は、契約内容を確認し設置義務や常駐義務、兼務禁止の範囲を確認し、契約違反の無いよう気をつけましょう